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美容室の「クチコミお願いします」、その頼み方は大丈夫ですか|Googleのポリシー原文で確認する

「よかったら、クチコミお願いします。担当した私の名前も書いてもらえると嬉しいです」——サロンの現場で、ごく自然に交わされている会話だと思います。ところが検索窓で「クチコミ 依頼」と打つと、候補に「違法」という言葉が並びます。実際、Googleのポリシーには、この声かけに関する具体的な禁止事項が書かれています。この記事では原文を引きながら、どこからが違反で、どこまでなら問題ないのかを整理します。

この記事のポイント

  • Googleのポリシーは、事業者がスタッフに「一定数のクチコミを集めるよう求めること」「スタッフを特定する内容を含むクチコミを募るよう求めること」を明確に禁止している。サロンで最もよく行われている声かけが、そのまま該当しうる。
  • 「良い評価をくれそうなお客様にだけ声をかける」「低評価を書かないよう促す」も禁止されている。一方で、見返りを渡さずに、実際の体験を書いてもらうようお願いすること自体は認められている。
  • 特典と引き換えのクチコミ依頼は、景品表示法のステルスマーケティング規制で実際に措置命令が出ている(2024年6月・内科クリニック/2025年3月・歯列矯正歯科。いずれもGoogleマップの高評価と引き換えに割引やQUOカードを提供)。業種を問わず適用される。
  • 見返りをやめてもクチコミが集まり続ける店には「全員に・毎回・その場で」という3条件がある。難しいのはやる気ではなく継続で、忙しい日ほど声かけは抜ける。だから属人的な善意ではなく仕組みで支える必要がある。

現場でよくある声かけが、そのまま禁止事項に書かれている

Googleがマップのユーザー投稿コンテンツについて定めているポリシーには、事業者側の行為として禁止されるものが列挙されています。そのなかに、次の2つが並んでいます。

事業者が、一定数のクチコミを集めるようスタッフに求めること。/事業者が、スタッフを特定する内容を含むなど、特定の内容を含んだクチコミを募るようスタッフに求めること。
Google「マップ ユーザー投稿コンテンツ ポリシー」禁止・制限されているコンテンツ(原文は英語。2026年8月時点)

前者は「今月あと5件」のようなクチコミの件数目標、後者は「担当した私の名前も書いてください」という頼み方に、それぞれ当てはまります。指名を増やしたいスタッフにとって自然な行動であり、店として推奨してきたケースも多いはずです。 しかしポリシー上は、事業者がスタッフにそれを求めることが禁止対象として明記されています。

分かれ目は「見返りを渡すか」と「相手や内容を選ぶか」

同じポリシーには、他にも事業者側の禁止行為が挙げられています。特典・割引・無料の商品やサービスと引き換えにクチコミを依頼すること、そして低評価を書かないよう促したり、良い評価をくれそうなお客様にだけ選んで声をかけたりすることです。

逆に言えば、見返りを渡さず、実際に体験したことを書いてもらうようお願いすること自体は禁じられていません。 ポリシーも、インセンティブを提供せずに実体験に基づく投稿を促すことは認めています。ここが実務上の分かれ目です。

クチコミの声かけで禁止されている例と認められていることの対比図解。禁止は、特典や割引と引き換えの依頼、スタッフの名前を書いてもらう依頼、スタッフへの件数要求、良い評価の人だけへの声かけ、低評価の抑制。認められるのは、見返りなしでの投稿のお願い、実体験の投稿、来店者全員への同じ案内、書きやすい導線の用意、届いたクチコミへの返信
お願いすること自体はできる。線を引いているのは「見返り」と「選別」

特典と引き換えの依頼は、実際に処分されている

これはポリシー違反にとどまりません。日本では2023年10月から、広告であることを隠す表示(ステルスマーケティング)が景品表示法の規制対象になりました。Googleマップのクチコミをめぐっては、すでに措置命令が複数出ています。

Googleマップのクチコミをめぐる措置命令2件の図解。2024年6月7日は内科クリニックの事案で、高評価のクチコミ投稿と引き換えに割引を実施。2025年3月17日は歯列矯正歯科の事案で、星5の評価と感想の投稿を条件に5,000円分のQUOカードまたは治療費5,000円の割引を提供。いずれも景品表示法のステルスマーケティング規制による措置命令
医療分野の事例だが、規制自体は業種を問わず適用される

2025年3月の事案では、来院者に対して「星5の評価とともに感想を投稿すること」を条件に、5,000円分のQUOカードまたは治療費5,000円の割引を提供していたことが問題とされました。クチコミが事業者の関与によるものだと一般の人には分からない状態だったという点が、規制に触れた理由です。

では、どう切り替えるか

「頼むのをやめる」必要はありません。変えるのは、頼み方と仕組みのほうです。

  1. 1特典・割引・サービスと引き換えにする運用を止める(すでに掲示物やLINE配信で告知している場合は、まずそこから外す)
  2. 2スタッフへの件数目標をやめ、「担当者名を書いてもらう」お願いも外す——指名につなげたい気持ちは分かるが、ポリシーが名指しで禁じている部分
  3. 3声をかける相手を選ばず、来店されたすべての方に同じ案内をする(選別しないことが、そのままポリシー順守になる)
  4. 4書きやすい導線を用意する——会計時に渡すカードやQRコードなど、見返りではなく「手間の少なさ」で書きやすさを上げる
  5. 5届いたクチコミには、低評価も含めて丁寧に返信する

見返りをやめたら、クチコミは減るのか

ここが一番の不安だと思います。結論から言うと、減るかどうかは「代わりに何を仕組みにするか」で決まります。 見返りを外したうえでクチコミが集まり続けている店には、共通して3つの条件があります。「全員に」「毎回」「その場で」です。

  • 全員に——選別しないことがポリシー順守そのものであり、同時に母数を最大化する唯一の方法でもある
  • 毎回——月に数日だけ思い出したように声をかけても、件数にはならない
  • その場で——帰宅後に思い出して書いてくれる人はごく少数。会計の場が最後の接点

難しいのは、この3つがやる気ではなく運用の問題だという点です。忙しい日ほど声かけは飛びます。そして忙しい日ほど来店数は多い——つまり、一番もったいない日に一番抜けます。私たちがサイトで挙げているお悩みにも「スタッフに更新を任せていても、なかなかやってもらえない」という声を載せていますが、クチコミの声かけはその典型です。属人的な善意ではなく、仕組みで支える必要があります。

見落とされがちな後半戦:集めた後の「返信」

もう一つ、クチコミの話で抜けやすいのが返信です。返信は「お礼」だと思われがちですが、実はもう一つの役割があります。クチコミと返信の文章は、AIがその店を理解するための材料になっているという点です。

「ご来店ありがとうございました」だけの返信が100件並んでいる状態と、「渋谷で髪の乾かし方までご相談いただける美容室として……」のように、店の場所・業態・強みが自然に含まれた返信が並んでいる状態。AIが「この店は何の店なのか」を読み取るとき、後者のほうが手がかりが多いのは明らかです。テンプレートのお礼を量産しても、この材料は増えません。

具体的に、返信に入れておくと材料になりやすいのは次のような要素です。自分で書く場合の目安として、そのまま使ってください。

  • エリア名——「渋谷」「表参道」など、お客様が検索に使う地名。店名だけだと場所の手がかりにならない
  • 業態と提供内容——「美容室」だけでなく「縮毛矯正」「ヘッドスパ」など、実際に対応した内容
  • お客様が書いてくれた言葉を拾う——「乾かし方の相談」と書かれていたら、返信でもその言葉に触れる。定型文ではこれができない
  • 次に来るときの手がかり——「次回は◯◯もご相談ください」のような一文(宣伝にならない範囲で)
  • 入れないほうがよいもの——「日本一」「地域No.1」などの優良性を示す表現。クチコミ返信も店の発信なので、景品表示法の対象になります

さらに、海外からのお客様が増えている店では、受け取った言語で返信できるかも効いてきます。翻訳ツールをそのまま貼った不自然な文章は、かえって不信感につながります。

ミチビトがやっているのは、この「続かない部分」です

ここまでに書いたことは、どれも自分たちでできます。実際、うまく回している店もあります。ただ、正直なところ面倒です。 毎日の会計のたびに全員へ声をかけ、届いたクチコミに一件ずつ返信を書き、それを何ヶ月も続ける——できるかどうかではなく、続けられるかどうかの話になります。ミチビトがお引き受けしているのは、まさにこの面倒な部分です。

  • その場で書ける導線——来店された方がスマホで答えられるアンケートQRを用意します。用途に応じて2種類を使い分けられ、お客様の端末の言語に自動で切り替わります(海外からのお客様にもそのまま渡せます)
  • 返信の下書きをAIが作成——ただのお礼文ではなく、管理画面で設定したキーワード(例:「渋谷の美容室として」)を自然に織り込んだ形で下書きします。内容を確認してから送信する形なので、店の言葉として仕上げられます
  • 受け取った言語での返信——多言語のクチコミにも、そのまま対応できます
  • 続く形にする——声かけの徹底も返信の継続も、忙しい日に最初に落ちる作業です。手作業を減らすことが、そのまま継続につながります。自分でやるか任せるかは選べますが、続かなければ結果は同じです

見返りをやめた結果としてクチコミが減るのか、それとも増えるのか——分かれ目は、やめた後に何を仕組みとして置くかです。いまの運用がポリシーに沿っているかの確認も含めて、お問い合わせからご相談ください。作業の中身は機能一覧にまとめています。

まとめ:今日、10分でやること

「見返りを渡す」「相手や内容を選ぶ」——この2つがポリシーの線引きで、特典と引き換えの依頼は実際に措置命令の対象になっています。今日できるのは、現状の棚卸しです。

  1. 1店内の掲示物・LINE配信・会計時のトークで、特典と引き換えの案内をしていないか確認して外す
  2. 2スタッフへの件数目標と「名前を書いてもらう」お願いをやめる(朝礼で共有するだけで済みます)
  3. 3「全員に・毎回・その場で」を、人の記憶に頼らず回せる形に置き換える——いまのクチコミ運用と返信の状態がどうなっているかは、ミチビトの無料診断でも店名と住所をLINEで送るだけで確認できます(無理な売り込みはしません)

※本記事は公開されているポリシーと公表資料をもとにした情報提供であり、個別の運用が違反に当たるかどうかの法的判断を行うものではありません。判断に迷う場合は専門家にご確認ください。

出典

よくある質問

Q.「クチコミお願いします」と伝えること自体が違反になるのですか?

A.いいえ。Googleのポリシーは、見返りを渡さずに、実際の体験に基づく投稿を促すこと自体は認めています。禁止されているのは、特典や割引と引き換えに依頼すること、スタッフに件数や特定の内容(担当者名など)を含むクチコミを募るよう求めること、良い評価をくれそうな人だけに声をかけたり低評価を抑制したりすることです。

Q.「担当者の名前も書いてください」と伝えるのは、なぜ問題なのですか?

A.Googleのポリシーが、スタッフを特定する内容を含むクチコミを募るよう事業者がスタッフに求めることを、禁止行為として明記しているためです。指名につなげたい意図があっても、ポリシー上は該当します。担当者名は、お客様が自発的に書く場合を除いて、依頼の対象にしないのが安全です。

Q.クチコミを書いてくれた方に、トリートメント無料などのサービスをつけるのは?

A.避けてください。Googleのポリシーは特典・割引・無料の商品やサービスと引き換えのクチコミ依頼を禁止しており、加えて日本では景品表示法のステルスマーケティング規制の対象になりえます。実際に、Googleマップの高評価と引き換えに割引やQUOカードを提供していた事業者に措置命令が出ています。

Q.見返りをやめたら、クチコミが集まらなくなりませんか?

A.クチコミが集まらない主な原因は、多くの場合「書こうと思ったときにたどり着けない」という手間にあります。会計時に渡せるQRコードなど、書きやすい導線を用意することで、見返りに頼らずに件数を伸ばす余地があります。届いたクチコミへの返信を続けることも、次の投稿が生まれやすい状態づくりにつながります。

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