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ホットペッパービューティーの支払いが増えたのはなぜか|掲載料は上げていない、変わったのは課金の形

タブレットに表示された下向きの赤い矢印を見て困った表情を浮かべる、エプロン姿の店主のイラスト

「掲載プランは変えていないのに、リクルートへの支払いが増えている気がする」——2026年に入ってから、こうした声を店舗オーナーから聞くようになりました。実はこれは感覚の問題ではなく、課金の仕組みそのものが変わったためです。しかもその内容は、リクルートホールディングスが投資家向けの決算説明会で自ら説明しています。この記事では、公開されている一次情報をもとに、何がどう変わったのか、店舗として何を見直せばよいのかを整理します。

この記事のポイント

  • 2026年1月から、ホットペッパービューティーに「GMV連動モデル」が加わった。予約の流通総額に対して1%の従量課金がかかる仕組みで、掲載料そのものの値上げではない。
  • リクルートホールディングスは、この変更による来年度の追加効果を「約120億円」と決算説明会で見込みとして述べている。負担するのは掲載店舗側。
  • 同じ説明会で「販促費・広告宣伝費は平均で売上収益の5%から10%程度」「当社利用サロンは平均より高くなりやすい」とも述べている。自店の販促費比率を出すことが、見直しの出発点になる。

変わったのは「掲載料」ではなく「課金の形」

2026年2月9日に行われたリクルートホールディングスの決算説明会で、事業責任者が次のように述べています。掲載料の値上げではなく、従量課金の追加である点がポイントです。

美容分野では、本年1月から「期待アクション数別プラン」に加えてGMVに対する従量課金率を1%に設定した「GMV連動モデル」を開始しました。
リクルートホールディングス 2026年3月期第3四半期 決算説明会(2026年2月9日)

GMV(流通総額)とは、そのサービスを経由して発生した取引の総額です。美容室でいえば、ホットペッパービューティー経由で入った予約の会計金額の合計にあたります。つまり予約が増えるほど、それに比例して支払いも増える構造が、従来の月額固定プランに上乗せされたことになります。

課金の形の変化の図解。これまでは掲載プラン料(固定)のみだったが、2026年1月からは固定料は据え置きのままGMV連動1%の従量課金が新設された。リクルートHDはこの追加効果を年約120億円と見込み、負担するのは掲載店舗側
変わったのは「掲載料」ではなく「課金の形」。固定料はそのまま、従量課金が上乗せされた

規模はどれくらいか:会社自身が「約120億円」と述べている

この変更がどれほどの規模なのかも、同じ説明会で語られています。

来年度の美容分野の売上収益に対するこの「GMV連動モデル」の追加効果は、約120億円となることを見込んでいます。
リクルートホールディングス 2026年3月期第3四半期 決算説明会(2026年2月9日)

この120億円は、どこかから湧いてくるお金ではありません。掲載している美容室・サロンが支払う分です。1店舗あたりに直すといくらかは公表されていませんが、自店の「ホットペッパー経由の売上 × 1%」が、そのまま追加の負担にあたると考えると見当がつきます。

背景として、同社はホットペッパービューティー経由のGMVが2024年度で約1.1兆円、直近5年の年平均成長率が14.2%であるのに対し、従来の「期待アクション数別プラン」(固定側のプラン)に基づく売上の同期間の年平均成長率は7.4%にとどまっていると説明しています。取引の規模の伸びに、固定プランの収益が追いついていない。その差を埋める打ち手が今回の従量課金である、という整理ができます。

同時期の変更ユーザー向けポイントは2%から1%へ半減している
告知
2025年11月10日
適用
2026年1月29日0:00以降の予約
変更
基本加算率 2% → 1%

GMV連動モデルの開始とほぼ同じタイミングで、利用者に付与されるポイントの基本加算率が2%から1%へ引き下げられています。店舗側の負担が増える一方で、利用者にとっての「そのサイトを経由して予約する理由」は弱くなる方向の変更です。店舗から見ると、支払いは増えるのに送客の魅力は下がるという、二重の変化が同時に起きたことになります。

見直しの出発点は「自店の販促費比率」

では店舗は何をすればよいのか。ここでも同じ説明会の発言が手がかりになります。ポータルの運営側が自ら基準を口にしているので、これを物差しとして使えます。

一般的にはそれらの費用は平均で売上収益の5%から10%程度と言われています。
リクルートホールディングス 2026年3月期第3四半期 決算説明会(2026年2月9日)※「それらの費用」=販売促進費及び広告宣伝費
そのため、平均より売上収益に占める割合が高くなりやすい、と認識しています。
同説明会・質疑応答(ホットペッパービューティー利用サロンについての回答)

つまり「5〜10%が平均で、うちを使っている店はそれより高くなりやすい」と運営側が言っているわけです。まずは自店の数字を出してみてください。計算は難しくありません。

  1. 1直近12か月の総売上を出す
  2. 2同じ期間にポータルへ支払った総額を出す(月額プラン+予約手数料+オプション費用をすべて含める)
  3. 3支払総額 ÷ 総売上 × 100 で販促費比率を計算する
  4. 410%を超えているか、5%に収まっているかを確認する
  5. 5超えている場合、その支払いのうち「新規のお客様の獲得」に効いた分と「もともと来ていたお客様が経由しただけ」の分に分けてみる
販促費比率の自己診断の図解。販促費÷売上で比率を計算し、5%未満は平均より低い、5〜10%は業界の平均的な水準、10%超は見直しの出発点。ホットペッパービューティー利用サロンは平均より高くなりやすいとリクルート自身が説明している
まず自店の比率を出す。「5〜10%が平均」はリクルート自身が示した目安

特に5番目が重要です。すでに常連になっているお客様がポータル経由で予約している場合、その予約にも手数料はかかります。 本来は直接予約でよかったはずの取引に費用が乗っているなら、そこは真っ先に見直せる部分です。見分け方は、直近3か月のネット予約のお名前を、カルテや顧客台帳の来店履歴と突き合わせて、すでに常連のお客様からの予約が何件あるかを数える——まずはこれだけで十分です。

業界の状況:美容室の倒産は過去最多を更新している

帝国データバンクの調査によると、2025年の美容室の倒産は235件で過去最多、2年連続の最多更新となりました。設立10年未満の店舗が49.0%を占めています。原材料や人件費の上昇に加えて、集客にかかる固定的な支出が重くなっていることが、体力の削られ方に影響していると考えられます。

ここで言いたいのは「ポータルをやめるべきだ」ということではありません。新規のお客様との出会いをつくる手段として、ポータルには依然として力があります。問題は、そこにしか入口が無い状態です。支払いが売上に連動して増える仕組みになった以上、売上が伸びるほど負担も伸びます。だからこそ、ポータル以外の入口——検索で直接見つけてもらう経路を、並行して育てておく必要があります。

並行して育てる「もう一つの入口」

お客様がお店を探す方法は、ここ数年で確実に変わりました。地図アプリで探す人、AIに「この辺でおすすめの美容室は?」と聞く人が増えています。こうした経路には予約1件ごとの手数料がありません。整えるべきなのは、Googleビジネスプロフィールの情報、クチコミ、そして各サービスに登録された店舗情報の一致です。

ミチビトは、この「もう一つの入口」を整える作業を代行しています。いまの販促費が適正かどうかを含めて、お問い合わせからお気軽にご相談ください。どんな作業をしているかは機能一覧にまとめています。

まとめ:今日、10分でやること

2026年1月から、ホットペッパービューティーには予約の流通総額に対する1%の従量課金が加わりました。掲載料の値上げではないため気づきにくい一方、リクルートホールディングス自身が来年度の追加効果を約120億円と見込んでいます。支払いが売上に連動して増える時代の備えは、次の3つからです。

  1. 1「ホットペッパービューティー経由の売上 × 1%」を計算して、自店の追加負担の目安を知る
  2. 2直近12か月の販促費合計 ÷ 総売上 で販促費比率を出し、5〜10%の平均ゾーンと比べる
  3. 3常連のお客様のネット予約が何件あるかを数え、直接予約への切り替え余地を確かめる——この確認は、ミチビトの無料診断でも店名と住所をLINEで送るだけで代行しています(無理な売り込みはしません)

出典

よくある質問

Q.ホットペッパービューティーの掲載料は値上げされたのですか?

A.掲載プランの料金そのものの値上げではありません。2026年1月から、従来の月額プランに加えて、予約の流通総額(GMV)に対して1%の従量課金がかかる「GMV連動モデル」が始まりました。プラン名や月額は変わらないため、請求内訳を見ないと気づきにくい変更です。

Q.自分の店がどれくらい負担が増えるかを知る方法はありますか?

A.公表されているのは課金率1%という数字だけなので、目安は「ホットペッパービューティー経由の売上 × 1%」で計算できます。あわせて、直近12か月の総売上に対してポータルへの支払総額が何%かを出しておくと、見直しの判断材料になります。

Q.販促費は売上の何%までが適正ですか?

A.リクルートホールディングスは決算説明会で、一般的に販促費・広告宣伝費は平均で売上収益の5%から10%程度と言われている、と述べ、同社サービスの利用サロンはそれより高くなりやすいとしています。この5〜10%が一つの目安になります。ただし業態や立地で変わるため、絶対的な基準ではありません。

Q.ポータルサイトはやめたほうがよいのでしょうか?

A.やめる必要はありません。新規のお客様との出会いをつくる手段として有効です。問題は入口がそこだけになっている状態です。支払いが売上に連動する仕組みになった以上、売上が伸びるほど負担も増えます。手数料のかからない経路(検索・地図・AI検索)を並行して育てておくことをおすすめします。

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