結婚式場の施行件数が減っている理由|婚姻件数は増えたのに、式が選ばれていない
「少子化で結婚する人が減っているから、式場は厳しい」——業界でよく語られる説明です。ところが公的統計を見ると、婚姻件数は2023年を底に2年連続で増えています。それなのに式場の施行件数は減っている。この食い違いの中に、いま起きている変化がはっきり表れています。
この記事のポイント
- 婚姻件数は2023年の474,741組を底に、2024年485,092組、2025年489,119組と2年連続で増えている。「結婚する人が減っているから式場が厳しい」という説明は、直近の数字とは合わない。
- それでも結婚式場業の取扱件数は2023年の70,022件から2024年は63,190件へ9.8%減少。婚姻件数が2.2%増えた同じ年に施行が減っており、12ポイントの開きが生まれている。
- 客がいなくなったのではなく、式が選ばれていない。民間調査では、披露宴・パーティーの実施率43.1%に対し、写真撮影の実施率は61.5%。「結婚するが、披露宴はしない」層が可視化されている。
婚姻件数は、実は増えている
厚生労働省の人口動態統計によると、婚姻件数は2023年の474,741組を底に、2024年は485,092組、2025年は489,119組と、2年連続で増加しています。長期的には減少してきたのは事実ですが、直近については「減っている」という前提は成り立ちません。
それなのに、式場の施行件数は減っている
一方、経済産業省の特定サービス産業動態統計調査で結婚式場業を見ると、取扱件数は2023年の70,022件から2024年は63,190件へ、9.8%減少しています。婚姻件数が2.2%増えた同じ年に、式場の施行が10%近く減った。12ポイントの開きです。

この1年は、調査対象の事業所数も403から398とほぼ変わっていません。同じ顔ぶれを見ていて、この差が出ているということです。つまり「客が減った」ではなく、「客はいるが、商品が選ばれていない」という構造がはっきり見えます。
何が選ばれているのか
民間の調査に、この構造を裏づける数字があります。結婚した人のうち、披露宴・パーティーを実施した割合は43.1%。一方、写真撮影を実施した割合は61.5%でした。写真だけを撮った層が16.3%、いずれも実施しなかった層が26.5%です。
つまり、「結婚はする。記念も残す。でも披露宴はしない」という選択が、すでに多数派に近い規模で存在しています。式場が競っている相手は、もはや他の式場だけではありません。フォトウェディング、少人数の会食、会費制のパーティー——選択肢が横に広がった結果、従来型の披露宴の取り分が減っています。
この構造が意味すること
「結婚する人が減っているから仕方ない」という説明が使えないとすると、話は変わってきます。お客様は増えているのに、自社の商品が選ばれていない——これは打ち手のある問題です。
そして、式場探しの入口も変わりました。かつては情報誌とブライダルフェアが中心でしたが、いまはまず検索し、写真を見て、口コミを読む。「◯◯市 結婚式場」「少人数 結婚式 ◯◯」といった検索から始まり、候補を数件に絞ってから見学予約に進みます。この最初の絞り込みの段階に入っていなければ、フェアの内容がどれだけ良くても呼べません。
自社で確認する手順
費用をかけずに、今日できることを並べます。
- 1「市区町村名+結婚式場」で、地図・検索・AIの3つに同じ言葉で聞いてみる——自社が出てくるか、何番目かを見る
- 2いま増えている形式の言葉が、情報に載っているか確認する——「少人数」「会食」「家族婚」「フォトウェディング」「会費制」。これらの言葉で探している人に見つけてもらえるかどうか
- 3写真の枚数と鮮度を確認する——式場選びは写真で決まる要素が大きい業種です。地図やプロフィール上の写真が古いままになっていないか
- 4クチコミへの返信状況を見る——一生に一度の買い物なので、口コミの読み込まれ方が他業種より深くなります
- 5見学予約の導線が、スマホで完結するか確認する——電話しか窓口がない状態は、この世代の行動と合いません
難しくはない。ただ、更新が止まりやすい
ここまで書いたことは、どれも自社でできます。 ただ、正直なところ面倒です。 式場の情報は、掲載しているポータル、自社サイト、地図サービス、SNSと分散しており、プランや料金を1つ変えるだけでも直す場所が複数に及びます。写真も、シーズンごとに増えていくのに、掲載先すべてに反映するのは後回しになりがちです。
そして式場の現場は、土日の施行と打ち合わせで手が塞がります。できるかどうかではなく、続けられるかどうかの問題になる——これはどの業種でも同じですが、掲載先の多い式場業では特に顕著です。
ミチビトがお引き受けしているのは、この部分です。主要サービスへの情報の一括反映、Googleビジネスプロフィールの整備、クチコミ返信の下書き、そして地図やAI検索での見え方の定点確認まで。まずは自社がいまどう見えているかを、お問い合わせから無料でご相談ください。整備の中身は機能一覧にまとめています。
まとめ:今日、10分でやること
婚姻件数は2年連続で増加。それでも式場の施行件数は減っています。お客様がいなくなったのではなく、式が選ばれていない——だからこそ、見つけてもらう段階に打ち手があります。
- 1「市区町村名+結婚式場」で、地図・検索・AIの3つに同じ言葉で聞いてみる(5分で現状が分かります)
- 2「少人数」「家族婚」「フォトウェディング」「会費制」など、いま選ばれている形式の言葉が情報に載っているか確認する
- 3掲載先すべてで写真とプラン情報が最新かを点検する——この点検と修正は、ミチビトの無料診断でも社名と住所をLINEで送るだけで代行しています(無理な売り込みはしません)
出典
- 令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況(厚生労働省)
- 令和7年(2025)人口動態統計月報年計(概数)の概況(厚生労働省)
- 特定サービス産業動態統計調査(結婚式場業・長期データ)(経済産業省)
- ゼクシィ結婚トレンド調査2024(リクルート ブライダル総研)
よくある質問
Q.婚姻件数は減っているのではないのですか?
A.長期的には減少してきましたが、直近は増えています。人口動態統計によると、2023年の474,741組を底に、2024年485,092組、2025年489,119組と2年連続で増加しました。「結婚する人が減っているから式場が厳しい」という説明は、直近の数字とは合いません。
Q.婚姻が増えたのに、なぜ式場の施行件数は減ったのですか?
A.披露宴という形式そのものが選ばれにくくなっているためと考えられます。民間調査では、披露宴・パーティーの実施率が43.1%である一方、写真撮影の実施率は61.5%でした。写真だけを撮った層が16.3%存在します。結婚はしても披露宴はしない、という選択が広がっています。
Q.単価は上がっているのですか、下がっているのですか?
A.1組あたりの単価は上昇傾向ですが、総額はコロナ前の水準に戻っていません。統計の売上高と取扱件数から算出すると2022年から2024年で17%ほど上昇している一方、民間調査による挙式・披露宴の総額は2020年調査の362.3万円に対し2024年調査は343.9万円です。招待人数が減り、1人あたりの単価が上がっている構造です。
Q.この統計は今後も確認できますか?
A.難しくなります。経済産業省の特定サービス産業動態統計調査は2024年12月調査をもって終了し、後継の調査では結婚式場業が独立した分類として公表されず、取扱件数の調査項目もありません。結婚式場業の施行件数を追える公的な月次統計は、2024年12月分が最後になります。