整骨院・鍼灸院のホームページは、有料掲載とつながると"広告"に変わる|厚労省ガイドラインの原文で確認する
「エキテンに勝手に掲載されている」「解約したいのに窓口が分からない」——整骨院・鍼灸院のオーナーからよく聞く悩みです。ポータルサイトとの関係は費用の話として語られがちですが、実はもう一つ、見落とされやすい論点があります。有料掲載が、自院のホームページに書ける内容そのものに影響しうる、という点です。この記事では、厚生労働省のガイドライン原文を引きながら、その構造を整理します。
この記事のポイント
- 厚生労働省のガイドラインでは、施術所のウェブサイトは「原則として広告には該当しない」とされている。自院サイトに施術内容を書けるのはこのためで、これは今も変わっていない。
- ただし、掲載料・広告料を払っているポータルやランキングサイトは「バナー広告等」として広告に該当しうる。そしてそこからリンクされた自院サイトも「一体的な関係にある」として、要件を満たせば広告として取り扱うとガイドラインは述べている。
- 広告として扱われると、書ける内容は法律が列挙した項目(氏名・住所・業務の種類・施術所の名称・電話番号・所在地・施術日時など)に絞られ、技能・施術方法・経歴には触れられなくなる。対象はあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師で、無資格の整体・リラクゼーションは対象外。
前提:自院のホームページは、原則として広告規制の対象外
まず安心してよい部分から確認します。厚生労働省が2025年2月18日に発出した「あはき・柔整広告ガイドライン」は、施術所のウェブサイトについて次のように述べています。
原則としてウェブサイト等は、あはき師法、柔整師法の規制対象となる広告には該当しない。
自院のホームページに施術内容やお悩み別の解説を書けるのは、この原則があるためです。利用者が自分から検索して訪れるサイトは、一般人が不意に目にする「広告」とは性質が違う、という整理になっています。
例外:有料掲載サイトからリンクされると、扱いが変わる
問題はここからです。ガイドラインは、上の原則に対する例外として「バナー広告等」を挙げています。その定義には、掲載料・広告料を払っているクチコミサイトやランキングサイトが明示的に含まれています。
施術所等口コミサイトと称して、あたかも閲覧者の口コミ情報を基に取材したかのように当該施術所等の情報を掲載したり、施術所等のランキング等を掲載しているもので、施術所等が掲載料・広告料を支払っているもの(中略)については、実質的に本指針Ⅱの1に掲げた①から③までのいずれの要件も満たす場合には、広告として取り扱うこと。
そして、この記事で最も知っておいてほしいのが次の一文です。有料掲載のページからリンクされた自院のサイトも、そのページと一体のものとして扱われうる、と書かれています。
この場合、バナー広告等にリンクしている施術所等のウェブサイト等についても、バナー広告等と一体的な関係にあることによって一般人が容易に認知できる状態にあることから、本指針Ⅱの1に掲げた③の要件を満たすものであり、さらに本指針Ⅱの1に掲げた①及び②の要件を満たす場合には、広告として取り扱うこと。

「広告」になると、何が書けなくなるのか
あはき師法第7条・柔整師法第24条は、広告できる事項を列挙する形をとっています。列挙されていない事項は広告できない、という構造です。さらに、氏名や施術所の名称を広告する場合でも「施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない」と定められています。

つまり、施術のこだわりや症例、施術者の経歴といった、院が本来いちばん伝えたい情報ほど書けなくなります。有料掲載を増やすほど自院サイトの表現の自由度が下がりうる——これが、費用の話とは別に押さえておきたい構造です。
自院で確認する3ステップ
難しい判断は専門家に相談すべきですが、現状把握は今日できます。
- 1自院がどの資格で施術しているかを確認する(あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう・柔道整復のいずれかなら、この規制の対象)
- 2いま掲載料を払っている媒体をすべて書き出し、それぞれに自院サイトへのリンクが張られているかを確認する
- 3リンクがある場合、そのリンク先ページに技能・施術方法・経歴・体験談などが載っていないかを見る——判断に迷う表現があれば、所在地の保健所や専門家に確認する
規制の外にある「自分の資産」を育てる
ここまでの整理からは、一つの方向が見えてきます。有料掲載に依存するほど、費用も表現の制約も増えていく。逆に、利用者が自分から検索してたどり着く経路——自院のホームページ、Googleビジネスプロフィール、地図やAI検索での見え方——は、原則として規制の対象外にとどまり、しかも1件ごとの手数料もかかりません。整えるべきはこちら側です。
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まとめ:今日、10分でやること
自院サイトは原則として広告規制の対象外。しかし有料掲載サイトからリンクされると、一体的な関係にあるとして広告扱いになりうる——これがガイドラインに書かれている構造です。まずは現状を把握しましょう。
- 1掲載料を払っている媒体をすべて書き出す(月額・成果報酬・オプションを分けて)
- 2それぞれから自院サイトへのリンクがあるかを確認し、リンク先の記載内容を見直す
- 3そのうえで、規制の外にある自院サイト・Googleビジネスプロフィール・地図での見え方を確認する——この確認は、ミチビトの無料診断でも院名と住所をLINEで送るだけで代行しています(無理な売り込みはしません)
※本記事は厚生労働省が公表しているガイドラインの原文をもとにした情報提供であり、個別の表現が広告に該当するかどうかの法的判断を行うものではありません。判断に迷う場合は、所在地を管轄する保健所や専門家にご確認ください。
出典
よくある質問
Q.自院のホームページに施術内容を書いてはいけないのですか?
A.いいえ。ガイドラインは「原則としてウェブサイト等は規制対象となる広告には該当しない」としており、自院サイトに施術内容を書くこと自体は妨げられていません。注意が必要なのは、掲載料を払っているポータルやランキングサイトからリンクされている場合で、その際は自院サイトも一体のものとして広告に該当しうる、とされています。
Q.整体院・リラクゼーションサロンも対象ですか?
A.あはき法・柔整師法の広告規制の対象は、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師です。国家資格を伴わない民間の整体・カイロプラクティック・リラクゼーションはこの規制の対象外ですが、景品表示法など他の法令は別途適用されます。
Q.ポータルサイトへの掲載はやめるべきでしょうか?
A.この記事は掲載の是非を判断するものではありません。まずは、どの媒体に掲載料を払っていて、そこから自院サイトへのリンクがあるかを把握することをおすすめします。そのうえで、規制の対象外である自院サイトやGoogleビジネスプロフィールなど、手数料のかからない経路を並行して育てておくと、選択肢が広がります。
Q.クチコミを増やす取り組みは問題ありませんか?
A.ガイドラインは、地図サービス等で自院に有利なコメントを載せてもらうために「謝礼を支払う又は依頼する」ことを戒めています。一方で、来院された方が書きやすいように導線を整えること自体を禁じるものではありません。謝礼や見返りを伴わない形で、自然にクチコミが集まる仕組みにすることが安全です。